レビュー

アプリコ・ニューイヤー・コンサート

(2007年1月 8日 21:42)

幸田浩子&福井敬withフランツ・リスト室内管弦楽団

1月8日 アプリコ大ホール(大田区民ホール)

ソプラノ:幸田浩子  テノール:福井敬   管弦楽:フランツ・リスト室内管弦楽団

J.シュトラウスⅡ     オペレッタ「こうもり」序曲        
J.シュトラウスⅡ ワルツ「春の声」 幸田浩子 
J.シュトラウスⅡ ピチカート・ポルカ  
レハール オペレッタ「ほほえみの国」“君こそわが心のすべて” 福井敬 
ブラームス ハンガリー舞曲から、2,3,4,7,6番  
リスト/ヴォルフ編ハンガリー狂詩曲第二番嬰は短調  
J.シュトラウスⅡ オペレッタ「こうもり」“伯爵様、あなたのようなお方は”幸田浩子 
ジーツィンスキー ウィーン、わが夢のまち 福井敬 
レハール オペレッタ「メリー・ウィドウ」“ヴィリアの歌” 幸田浩子 
ロンバーグ オペレッタ「学生王子」“セレナーデ” 福井敬 
J.シュトラウスⅡポルカ「浮気心」  
J.シュトラウスⅡ オペレッタ「ウィーン気質」“どうしても許せないのは” 幸田、福井 

新年早々、とても華やかで楽しい演奏会でした。何しろ、フランツ・リスト室内管弦楽団がとってもいい!ハンガリープダペスト出身の弦楽合奏団です。もう、ハンガリー狂詩曲やら、ハンガリー舞曲やらは、日本人が民謡を歌っているような感じというか・・。なんか体のそこから湧き上がってくる感情がそのまま音楽にのせてほとばしってくるような演奏でした。

幸田さんは、声も容姿も本当にきれいで・・うっとり。コロラトゥーラ・ソプラノで高音は軽々と決めて、その上随分大人っぽくなったという印象を受けました。こうもり」の「伯爵様~」は、とても表情豊か。「ヴィリアの歌」では、とりわけしっとりとしたうたい方で素敵でした。

福井さんはやはり高音の響きがすばらしい!「学生王子」の“セレナーデ”は最後は高音が続き、しかもゆったりとした歌なので歌うのが大変とご本人はおっしゃっておられましたが、歌い終わったらブラボーの叫びと悲鳴に似た女性の声も聞こえてきて・・福井さんの声にノックアウト。福井ワールド全開という感じでした。オペレッタとして、ここまで立派に歌いこんでいいのかという人もいるかも知れませんが、福井ファンとしては、全くOK。きれいなだけで何も感じないような歌にくらべ、こんなに情熱的で心のこもった歌は他では絶対きけないのですから。

ところで、このフランツ・リスト管弦楽団は幸田さんとバイオリンの前橋汀子さんとの全国ツアーの最中でした、なぜか、このアプリコのコンサートだけが前橋さんに変わり、福井さんになっていました。この後、サントリー、福岡、札幌などのコンサートもありますので、興味のある方は、梶本のホームページでご覧ください。