レビュー

アジア3大テノールの競演

(2009年3月19日 15:57)

2009年3月19日(木曜日)19時開演  サントリーホールにて

テノール 福井敬 シュー・チャン(中国) ハ・ソクベ(韓国)  

 バイオリン 天満敦子

 指揮 三石精一

 東京ニューシティ管弦楽団



 「80日間世界一周」 ヴィクター・ヤング 南 安雄編

 日本歌曲「落葉松」 小林秀雄    福井敬

 中国青海民謡「草原情歌」      シュー・チャン
 
 韓国歌曲「新アリラン」 金 東振  ハ・ソクベ

 「地平を翔る風」 小林 亜星  天満敦子
 
 歌劇「トスカ」より“妙なる調和" プッチーニ   福井敬

 歌劇「トスカ」より“星は光りぬ" プッチーニ   シュー・チャン

 歌劇「アンドレア・シェニエ」より “ある日、青空を眺めて"  ジョルダーノ

 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲   マスカーニ

 「グラナダ」 ララ   ハ・ソクベ

 「カタリ・カタリ」 カルディッロ    福井敬

 「帰れソレントへ」 デ・クルティス   シュー・チャン   

 休憩


 歌劇「セビリアの理髪師」序曲  ロッシーニ

 歌劇「連隊の娘」より“友よ、今日はなんと楽しい日” ドニゼッティ   シュー・チャン

 歌劇「トロヴァトーレ」より“見よ、恐ろしい火を”   ヴェルディ   ハ・ソクベ

 歌劇「リゴレット」より“風の中の羽のように(女心の唄)” ヴェルディ   福井敬

 「望郷のバラード」 ポルムベスク 天満敦子

 「フニクリ・フニクラ」 デンツァ    福井敬  シュー・チャン  ハ・ソクベ

 歌劇「トゥーランドット」より
 “誰も寝てはならぬ” プッチーニ   福井敬  シュー・チャン  ハ・ソクベ
 
 「オー・ソレ・ミオ」        福井敬  シュー・チャン  ハ・ソクベ

 「ふるさと」            福井敬  シュー・チャン  ハ・ソクベ


 

 

 

 

 

 

 

アジア3大テノールのコンサートは、京都、大阪、東京に続き、今回で4回目。さすがに3人の息も合ってきたようで、今回は本当に素晴らしいコンサートでした。さすがにアジア3大テノールというだけ合って、3人ともこの大舞台とオーケストラをバックに迫力満点!。プログラムも、それぞれのお国の歌曲とイタリアものというように、皆さんの十八番ばかりでまとめられ、とても楽しく聞けました。アジアの歌手だって、欧米の歌手にちっとも負けない!むしろ、最近のヘナチョコテナーに比べたら全く格上だ(自己満足?)と思った一夜でした。

読者の方の感想です。

日本、韓国、中国のテノール歌手の共演、テノールの名曲を何曲も別々の声で聴くことができる上に天満敦子さんのバイオリン演奏まである贅沢なコンサートでした。福井さんのオーケストラをバックにした「落葉松」はいつもと雰囲気が違って格別に心にしみました。トスカの「妙なる調和」も鮮やかさといい、華やかさといい、体が吹き飛びそうでした。3人がそれぞれどんな曲を歌われるか、プログラムを見ながら予想するのも楽しく、福井さんの「グラナダ」を期待していましたが、ハ・ソクベさんが歌われました。もちろん素晴らしかったのですが、先日のランチコンサートで福井さんの「グラナダ」に感動したところだったので、オーケストラの演奏にあわせた福井さんの歌も聴いてみたかったです。全員が素晴らしい歌声なのに、私は福井さんの歌の時だけは耳だけではなく、体全体が快くなってしまうのはどうしてなんだろうと不思議に思いました。最後の3人一緒の「フニクリフニクラ」や「だれも寝てはならぬ」「オーソレミオ」盛り上がって本当に楽しかったです。また、ぜひ三大テノールのコンサートを催して欲しいです。

3月19日、サントリーホールでのアジア3大テノールの競演は、大いに盛り上がり、楽しめました。中国、韓国の方もそれぞれ美声で、特に中国のシュー・チャンという方は、ウルム歌劇場の専属とのことですが、なるほど、色々な役に対応できる感じでした。

あれから4日経ちますが、私の頭の中では、カタリカタリのメロディと情念が折に触れ蘇って来ます。アンコールなどで良く聴きますが、あのように万感こもる表現には出会えません。又、「妙なる調和」ではそばに肖像画が掛けられているような錯覚にとらわれました。福井さんの演奏会では必ず一曲、後々まで鮮明に印象に残っている場面があります。

昨年の紀尾井ホールの「ペトラルカのソネット」では曲を知らないのにも拘わらず、突然目の前の光景とは別の世界が開け、オーラが飛んできました。10月の町田、「まちぼうけ」、面白おかしく聴いているうちに、時間の経過にはっと気づき、目の前に開かれた荒れ野、今でも鮮明に目にすることが出来ます。極め付きは「ダフネ」!終幕近くの立ち姿に「やっていることはくだらないけれど、やはり彼は神であった」と感じた瞬間は私の宝物です。

カタリ、カタリも大切な思い出になるでしょう。中国、韓国の歌手のフアンの方達もそれぞれ満足されたでしょうが、身びいきをするなら、舞台での立ち居振る舞いは、福井さんがあかぬけていた、と言いたいところです。最後に、3人で歌われた時に、最後の音を福井さんが他の2人より高い音程で納めたのも、やった、と思いました。ミーハーも極まる?

琵琶湖ホールの「トウーランドット」、一幕で登場した時の情熱と言うか、前に進んでいくエネルギーのみなぎる若々しさが印象に残っています。私の理想はモーツアルトの「欲を言えばドイツリートも」歌えるテノールですが、4月の埼玉ではモーツアルトを歌って下さるそうで、今から楽しみに致しております。仕事に追われて遅れ、又、長くなってしまいました。

(匿名希望 Fさん)


サントリーでのコンサート その楽しかったことと言ったら!!!こんなに素晴らしい方たちにこんなに楽しくさせていただいていいのかしら ♪まるでミシュランの御馳走(食べたことないです)がどーんと大皿に盛られて次から次に現れて来たような気がしましたすっかりウキウキ 気分爆発寸前 役者よし!観客良し!! 美しい怒涛(見たことないです)のようなお三方の迫力に満ちた歌声 しかも 全身が揺さぶられるような真摯な歌声 さいごのアンコールのあふれんばかりの(溢れていました)熱気と満足感本当に幸せな忘れられない春の宵でした毎年聞きたいなあーと切望しています四季おりおりにからまつに降る雨もそのひそかな香りを今以上好きになると思いました福井さんの落葉松 すばらしかったんです(M.Gさん)