レビュー

清水脩 歌劇「修善寺物語」

(2009年7月 2日 11:41)

2009年6月25日(木曜日)  新国立劇場中劇場にて

「修善寺物語」 清水 脩/全1幕

指 揮】外山雄三  【演 出】坂田 藤十郎 【管弦楽】東京交響楽団

【源左金吾頼家】福井敬
【面作師夜叉王】木村俊光
【夜叉王の娘かえで】天羽明恵
【夜叉王の娘かつら】横山恵子

さすが、歌舞伎の重鎮坂田藤十郎さんの演出だけあって、舞台は歌舞伎そのものでした。花道まで作ってあったのにはびっくり!もちろん、衣装は歌舞伎風です。歌舞伎と違うのは、三味線がバイオリン、浄瑠璃や清元がアリアです。役者がオペラ歌手です。曲は「ペレアスとメリザンド」を日本風に、もう少しおどろおどろしくアレンジした感じ。不思議なオペラでした。歌手の方々は実力者揃いで、音程のあるようなないような、レチタティーボ風のアリアを歌舞伎の所作で歌っておられ、とにかく今まで見たこともない凄いオペラでした。

福井さんは源頼家というお殿様の役で、登場されたとき、なんか変!トレードマークのお髭がない!どうしたんだろうと思っていたら、舞台近くで見ていた方から、「ひげ隠しみたいなのを張ってるみたい」という情報を教えてもらい、そういえば、他の方より、お化粧が濃くて真っ白でした(笑)歌よりも、そんなところで楽しんでしまいました。

読者の方の感想です。ありがとうございました

福井さんの平安貴族のような姿がとても素敵でした。 立つ姿勢も座る姿勢も歌舞伎風にびしっと決まり、見得も決まって本当の歌舞伎役者のようで驚きました。あの姿勢は普通の人には難しいのではないでしょうか。 台詞のバックに流れる音楽を聞き取る能力がないので、どうしても棒読み、説明口調のようにしか聞こえない台詞の中で、福井さんの台詞だけは感情がこめられて生き生きとした世界が広がっていたのはさすがだと思いました。 内容は衝撃的で大変面白かったのですが、正直言って私のようなオペラ初心者には、 少々難しかったです。(Y)