レビュー

西本智美「第九」

(2009年12月17日 10:06)

テレ玉開局30周年記念
西本智実の『第九』 東京交響楽団特別演奏会 

会場 さいたま市文化センター 大ホール

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」     
ブラームス  :大学祝典序曲 op.80
管弦楽  :東京交響楽団 
ソプラノ :藤田美奈子     
メゾソプラノ:竹本節子     
テノール :福井敬     
バリトン :成田博之     
合 唱  :東響コーラス

合唱で共演された東響コーラスの団員の方からの投稿です。ありがとうございました。

12月、ベートーベン第九演奏会の季節です。
私は12月17日さいたま市文化センターで福井さんと共演してきました。
指揮は今をときめくビジュアル系の西本智美さん、
オーケストラは東京交響楽団
合唱は東響コーラス。

ゲネプロのときから福井さんは全開で、惜しみなく声を出しておられ絶好調でした。
第4楽章で男声合唱と絡むマーチと呼ばれるところは福井さんの十八番で
「太陽が大空の広壮な平地を飛翔するように、喜ばしく、兄弟よ君たちの道を走れ、勝利に向かう勇士のように楽しく」と歌われ
明るい希望と自信を表現するのにその堂々とした声はぴったり。

ゲネプロが終わって合唱の控え室では合唱の先生から「ソリストがすばらしく歌ってくれると合唱もいいテンションをもらって、いつも以上の声と表現ができいいものになるね」とおっしゃり、
男声コーラス部分の成功は福井さんの歌唱力によるところがとても大きかったと思います。

ソリストの位置はコーラスの中央に設えてあり、ステージ下手から入場の福井さんは私の目の前を通っていかれました。
ますます胸板は厚く、目は輝き、タキシードがとてもお似合いでした。
歌い終わってそでに帰る時は「コーラスよかったよ~~」と小声でお声をかけていただきました。

お客様はもちろん、オーケストラの人も合唱の人も、福井さんの声と歌唱力に魅了され幸せなひと時を味わいました。
また、シラーのすばらしい詩を歌に乗せみんな作り上げた瞬間を共有できたとこともこの上ない幸せなときでありました。
21日(月)もご一緒しますので楽しみです。

まだ何度も第九の演奏会があります。
皆様も福井さんの歌声を聞きながら年の瀬を味わってみませんか?

観客として行かれた方からの感想も・・ありがとうございました。

福井敬さんのファンになってから4年、毎年、福井さんの出演される第九には年末に一回は行くようになりました。だから、特にクラシック音楽ファンでない私には一番生で聴く機会が多い曲になり、毎回毎回違った雰囲気を楽しむことができるようになりました。今年は、西本智実さんの第九です。外国の音楽ではなく、自分のよく知っている日本の田舎で、朝早く起き、働き、たくさんの野菜に囲まれ、手作りの漬物や料理を出された食卓を大勢で囲むような優しくてゆったりとした居心地が良い世界に聴こえました。懐かしい日本の唱歌を聴いているようで、日本の里山の美しさを感じました。
そのせいか、合唱はドイツ語なのに日本の歌に聴こえました。
このホールが山の奥深くにあり、昔からの生活に根ざしている人々が集って歌っているような日本の歌。福井敬さんの歌声は聴きたかった親戚の声を一度に聴いたように懐かしくて嬉しくて体の奥底にずしんと響きました。
日本って良い国だなあとしみじみと実感した第九でした。(Y)