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8月19日 オペラ「椿姫」 岩手県奥州市公演 (投稿Yさん)
(2012年8月26日 13:32)ヴェルディ 歌劇「椿姫」
会場:奥州市文化会館Zホール 大ホール
公演プロデューサー兼合唱指揮:及川 貢 (奥州市水沢区出身)
指揮:星出 豊 演出:三浦安浩
美術:鈴木俊朗 衣装:増田恵美
照明:奥畑康夫 バレエ振付:菊地 宗
【キャスト】
ヴィオレッタ:野田ヒロ子(盛岡市出身)
アルフレード:福井 敬 (奥州市水沢区出身)
ジェルモン:折江忠道
フローラ:斎藤佳奈子
合 唱 Zホール20周年記念合唱団
バレエ 小牧バレエ団
管弦楽 奥州市民Z管弦楽団
岩手県の奥州市文化会館20周年記念の「椿姫」を観に行きました。
なんといっても素晴らしかったのが2幕目。福井さんは本当に「ひどい男」を演じるのが上手だなあと感心してしまいました。ヴィオレッタへのひどい仕打ちは怒りだけではなくて、好きで好きでそうせずにはいられない悲しさがあふれてみえました。アルフレードが自責の念で打ちひしがれている横でヴィオレッタが心の内のアルフレードへの愛を歌う。野田ヒロ子さんの美しく切ない歌に悲しくなりながら、アルフレードも可哀そうだけど、なんで自分の父の仕組んだことがわからないのだろう、ヴィオレッタの気持ちがわからないのだろう、と泣けてきました。
かえって3幕目の方が喜ばしくて、野田ヒロ子さんのヴィオレッタは病気でやつれても、ますます声も姿も美しくてイメージぴったり。ベットにへばりついていたわけではなく、中央のテーブルについていたので湿っぽい雰囲気ではなく、ヴィオレッタとアルフレードの再会も感動的で嬉しくなりました。
二重唱の「パリを離れて」を聴きながら、福井さんの歌声は美しくて慈愛にあふれていて気持ち良いなあと心の底からうっとりしました。ヴィオレッタは若くして死ぬ運命でかわいそうだけど、こんな素晴らしい歌に看取られるのならば羨ましいと思うほどでした。
さすが「椿姫」名曲揃いで、生で聴いて初めていいなと思った部分もたくさんありました。話はシンプルだと思っていたけれど、アルフレードの演技で奥行きが広くなり、岩手まではるばるやってきた甲斐がありました。来年のびわ湖、神奈川県民ホールでの「椿姫」の福井さんのアルフレードも期待しています。 (Y)