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パルジファル報告 

(2012年9月21日 17:14)

平成24年度文化芸術振興費補助金
(トップレベルの舞台芸術創造事業)
バルセロナ・リセウ大劇場と チューリッヒ歌劇場との共同制作

主催:公益財団法人東京二期会
共催:公益財団法人読売日本交響楽団
《二期会創立60周年記念公演》
東京二期会オペラ劇場『パルジファル』



舞台神聖祭典劇全3幕
字幕付原語(ドイツ語)上演
台本・作曲:リヒャルト・ワーグナー

                                                    
                                                                                                                    

東京文化会館 大ホール
開場は開演の60分前/上演予定時間:約5時間(幕間の休憩2回を含む)

いいオペラは見た後は静かな余韻に浸りながら、いろいろ考えられるのがいい。
今回のパルジファルは演出といい、音楽といい、本当に全てが素晴らしかった。

まず、音楽が素晴らしい。
マエストロ飯守の指揮は、かなりたっぷりとしていた、しかし冗漫ではないし、
音楽にうねりがあり、エネルギーと緊張感に満ちて、ぐいぐい引き込まれた。ワーグナーの音楽の素晴らしさを充分に味わえた感じがする。
それにこたえる読響のオケもすごかった。クレッシェンドで音楽が湧き上がってくる時にはその音楽の力に感動した。
そして、その音楽の上にさらに歌手たちがドラマをつづっていく。福井さんも素晴らしかったし、黒田さんも素晴らしかった。この二人の陰影に富んだ歌がオペラを引き締め、私達をその世界へといざなってくれた。

また、演出も素晴らしかった。
キリスト教の贖罪についての思想というのはどうも馴染みがたく、大体ワーグナーの自分の行動はどうなのよといつも、突っ込みたくなりながらオペラを見ていたが、今回の演出ではキリスト教というより、もっと普遍的な人間の持つ業の深さをテーマとすろような演出と感じられ、すんなり理解出来た気がする。
回り舞台で上下で動くそれぞれの人も全部意味があり、5時間はあっと言う間に過ぎた。
福井さんを追っかけて、今回のような素晴らしい作品と出会え、本当にファンとして至福の喜びといえる。

(舞台写真 撮影 三枝近志)

 

福井敬.netもお花を送りました。 そして、終演後、ほっとした福井さんです!