「ダナエの愛」の感想

2015/10/17

公演: シュトラウス 歌劇「ダナエの愛」全3幕

福井さんがメッセージで「素晴らしい音の洪水の中にいる感じです!」

とおっしゃった通り、1,2幕は輝く黄金の音の洪水に身を浸しました。

キラキラキラキラ贅沢な響きにうっとり。

ミダス役の福井さんは、王女・ダナエの愛をかけて

神様ユピテルと争ったのですが

20代前半にしか見えない立ち居振る舞いにまずびっくり。

神様にも勝つほどのイケメンぶりで

久しぶりの若者役がますます素敵でした。

ダナエが自分ではなくミダスを選んだせいで

ユピテルの怒りが爆発し、

3幕めは、東日本大震災を模した破壊された世界が表れました。

平穏で温かく胸にギュッと懐かしさがこみ上げる、

と同時に希望の光が見えてくる音楽に包まれて

黄金の贅沢な気持ちが一転して、普通の日常生活の貴さを思い出しました。

でも、このオペラのテーマ「黄金より愛」なんておとぎ話にすぎないのでは?

と思っていたら現実的に説得力があるこの演出!

ダナエとあばら家で暮らし始めたミダス役の福井さんが

嬉しそうに洗濯物を干すシーンを見て

この夫婦は貧乏でも幸せに暮らしていけると確信しました。

加えて、このオーケストラの豊かな音色が心の中にいつも鳴り響いていたら

どんな生活も幸せなんだろうな。YY