大航海時代の音楽を旅して

2019/06/16

公演: 福井敬×アントネッロ スペシャルリサイタル第2弾 海を渡るINISHIEの楽~大航海時代の音楽~

大航海時代にタイムトラベルして、潮風をあびながら、航海をしているようでした。子守唄、シャンソン、ルネサンス・スペイン歌曲、舞踏曲、次から次へと初めての風景が広がり、珍しいものがたくさん。初めて聴くけれどなぜか懐かしい、外国の歌なのに日本の歌にそっくりとワクワクしっ放し。

その中でも、本当に体がシビれました!日本民謡の「日向木挽歌」の福井さんの朗々とした歌声に。古臭いイメージしかなかったのに、日本民謡ってこんなにかっこ良いものだったなんて。ルネサンス音楽も良いけれど、福井さんとアントネッロの洗練された日本の民謡も、もっと聴いてみたいです。

 後半、隠れキリシタンが歌ったオラショを元曲のグレゴリオ聖歌と聴けたのは、面白い。同じ歌なのに、最後は日本の歌にしか思えない不思議。濱田芳通さんの超絶技巧のリコーダー「英国のナイチンゲール」を生で聴ける贅沢さ。色々な国の人が登場する「船上の宴会」で自分が宴会に参加しているみたいに、すっかり盛り上がり、最後の最後でびっくり南米音楽。雰囲気がガラリと変わって、パプリカスパイスが香っているような濃厚な音楽。あまりに板についた演奏で本当はみなさま裏で違う名前で、ポンチョを着て南米音楽を演奏されているのではないかと疑ったほど。

 アンコールは「ロミオとジュリエット」でロマンチックに締めくくられました。最初から最後まで、実際の旅行よりも何百倍の大興奮の旅でした。ありがとうございました。テレビの放映も楽しみです。(YY)