大阪公演 感想です

2019/07/06

公演: 福井敬スペシャルリサイタル2019 in大阪

日本トップの実力派歌手福井敬さんと清水華澄さんが揃うと、シュトラウスも日本歌曲も琴線に触れすぎて、ずっと涙目で聴くことになった。

カルメンハイライトは、谷池さんのピアノ1台ですっかりオペラの世界。 高橋広奈さんのミカエラは、若くて清純なリアルミカエラ。春風のように心地良い声。あまりに可愛らしいので、オペラの中でさえ辛い目にあって欲しくないなあとなぜか、すっかり保護者気分で応援。

華澄さんのカルメンは、太陽のように明るくて、伸び伸びしていて、チャーミング。ハバネラで客席を回った時も、ホセを誘惑して縄をといてもらう時も、どこかユーモラスで楽しい。

対する福井さんのホセは、絶妙なダサさ加減。今までのホセの中で一番好きです。歌は素敵だけど、体裁もなにもかも捨てて必死さが募るほどみっともなくて、ホセがみっともないほど、死を賭してのカルメンの拒絶シーンが格好いい。今回は心の底から、スッキリしました。

ホセとカルメンの目の前の迫力のある演技に会場はキューッと縮むように集中して、1曲終わるごとにバーンと弾けて喝采の嵐。息つく暇もない展開にあっという間に終わってしまい、1時間が10分ぐらいに感じました。

アンコールは福井さん「騒がしかったでしょう。」と「落葉松」。今まで、犯罪者だった人が人徳者に変身する瞬間。最後に出演者全員でのお笑い「乾杯の歌」。清水華澄さんて根っからのコメディエンヌだー。歌の取り合いに大笑い。ああ、面白かった。(YY)

G20で街中警戒態勢で、少し滅入っていたのですが、とても楽しいリサイタルでした。 特に、第2部では、ピアノ演奏だけでエスカミーリョの存在を感じさせたのは、 面白い(効率的?)アレンジだと思いました。 又、アンコールでのカルメンとミカエラのバトルも愉快でした。 福井さんの歌唱は情熱的であり、温かみも感じられて、心が安らぎます。 来年のリサイタルも楽しみにしております。(Mさん)