シューベルト「美しき水車小屋の娘」

2016/12/06

コンサート

2016 年 12 月 6 日

13 時 30 分

2016 年 9 月 9 日

浜離宮朝日ホール

104 - 8011

東京都 中央区築地5-3-2 朝日新聞東京本社・新館2階

【浜離宮アフタヌーンコンサート】

福井敬(テノール)×横山幸雄(ピアノ)

松本隆・訳詞による シューベルト「美しき水車小屋の娘」

【出演】

 福井敬(テノール)

 横山幸雄(ピアノ)

シューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」を、ポップス界を代表する

作詞家・松本隆が口語日本語訳にしました。福井敬と横山幸雄のレコーディングで

話題になったこの作品をライブで味わえる、貴重なコンサートです。

純粋で儚い粉ひき職人の恋物語を、トップ・アーティスト2人の共演でお届けします。

 

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この公演に関するレポート・感想

「美しき水車小屋の娘」感想 3

2016/12/15

稀代の名手の歌う「水車小屋」の凄さに、一週間ほど腑抜けになっていました。

・・・小川の底に星が沈み 銀河が雪崩れてゆく気がした・・・

松田聖子ちゃんが歌いそうな歌詞に、さすが!松本隆さんだ!と感心してたら

ミュラーの原詩でも確かにそのように書かれていました。松本さんの超訳ではない

日本語の言葉選びのセンスはやっぱり、すてきだなあ~と感じました。

CDで聞いていたときには〈体育会系〉な音楽だなあ、という印象でした。

アスリートのように極限まで実力を発揮しようという切れ味鋭い音楽。

12年後のこの日、初めて聞いた生演奏では、横山さんのピアノはまろやかで

手を鍵盤に置くと自然にピアノが歌いだすというような滑らかさ。

そして、福井さんの磨き抜かれた美声と縦横無尽の表現力の素晴らしさ!

粉の白さ、リボンや木々の緑色、青い花・・鮮烈な色彩が飛び出してきました。

粉ひき青年の明るい希望から始まり、恋の喜び、葛藤、嫉妬、苦悩、そして死へ向かう

ドラマを固唾をのんで聞いていると、息が苦しくなってしまい、№12休憩(!)で一度、

間を置かれたのは聴衆も一息つけてありがたかったです。

青年の入水とともにホールにも青い水があふれ、私も川底に沈んでピアノの音色とたゆたっている

ように感じました。哀しさと救済された安堵感が混ざり合ってホッとしつつ泣きたいような

甘悲しい余韻が素晴らしかったです。

福井さんの描く若者像、青年と言うより少年は、パルジファルの時も思いましたが、

世界名作児童文学の登場人物のように清潔感があり、ナイーブで、とってもすてきです。

「水車小屋」を歌いきった解放感からの「魔王」の爆発的でイキイキした歌唱は楽しかったです。

(Collina)


シューベルト「美しき水車小屋の娘」感想2

2016/12/10

横山幸雄さんのピアノを生で初めて聴いた。

今まで知っていたピアノの音とはまるで違うので驚いた。

軽やかで、全てに虹がかかっているような音色。

「美しき水車小屋の娘」で粉挽き職人の若者が希望に満ちて旅に出た様子を

横山幸雄さんのピアノで聴いたら、ワクワクして、体が勝手に動きだした。

止めようにも止められずに、制御不能になった体は、ピアノの音色になすがまま。

福井さんの歌が始まったら、頭の天辺から足のつま先まで

体の内側がスクリーンになって、歌の映像が映し出されるようになった。

木々の緑  揺れる金髪  透き通った川の水面

緑のリボン  青い花

全てがまぶしいくらいの鮮やかさ。

「月は東に星を誘って 銀の水鏡 二人で覗いていた」

こんなに美しい風景に心震わせたことあったかな。

若者の心が私の心に流入する。

私は、若者になってしまった。

幸せな気持ちで駆け巡りたくなる。

ほんの些細な出来事に心を左右される。

心は、踊ったり、落ち込んだり目まぐるしい。

嬉しさと辛さと寂しさが同時に渦巻いて気が狂いそうになる。

一流の芸術家が二人揃うと

感動は、2倍ではなく、何乗にもなる。

強烈すぎる美の世界にとても耐えられない。

心も体も全てピアノと歌に支配されてしまい、逃れようがない。

私の感動受容能力はとうに決壊した。

終演後、ふらふらになって、悲しいわけでもないのになぜか泣きながら

あまりに高みに到達した「美」は恐ろしいと思いました。 (YY)


ブロガーShevaibraさんより臨場感あふれる感想 「美しき水車小屋の娘」

2016/12/09

各界のトップ・ランナーが集ったプロジェクト シューベルトの水車小屋の娘の日本語訳詞ヴァージョンのライブ披露である。

火花飛び散る展開というべきか。横山の超絶技巧に福井のオペラティックなワグネリアンな唯我独尊世界 聞き応えがあった。

日本語で歌われる快活な青年の恋の喜びと苦しみ 絶望 諦観 昇華がリアルに迫ってくる。ドイツ語とは別物と思って聞くべきだ。アンコールは魔王 これは超絶すばらしかった。

***

冒頭のアヴェ・マリア あまりにもパワフルでぶっ飛んだ。 ワーグナーチックなアヴェ・マリア とても素敵です。

横山さんのシューベルトの即興曲の前に長大なトーク。とても楽しんだ。横山さん 多分生演奏は初めて聴く。ショパンの全曲演奏は映像で聞いた。タッチがすばらしく溶けるような音色。ヴィルトゥオーゾでめっちゃ速くて、それなのに硬さを感じさせず夢のよう。美しすぎる!

後半 いよいよ「美しき水車小屋の娘」

快活に若々しく、希望にあふれて歌う。

恋の喜び

恋人を飽くことなく見つめる

ぼくのものだ!

<いったんそでにはける>  パウゼ

恋人は緑のリボンが好き。

猟師

嫉妬とプライド

好きな色

悲しみ

嫌いな色

すばらしい!Ade

枯れた花   

すごくゆっくり歌う。

前半の高音 ソット・ヴォーチェ

冬は去り、もう五月

「去り」で胸声の高音

声を張る

すばらしい!

入水

悲哀

星空に抱かれる

水底で。

川の子守唄

前半の曲のメロディライン

ピアノのリズミカルな響き、これは川のさざ波なのだ。強くなったり優しくなったり主人公を包む。

全曲了

大拍手

アンコールは魔王

父親と息子 魔王とナレーションの四役を見事に演じた。  すばらしかった。

Shevaibra

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