インタビュー

仮面舞踏会  舞台写真と<福井敬VS江川紹子>インタビュー

(2007年9月 5日 16:58)

9月6日から東京文化会館で始まる仮面舞踏会。今回はテレビ紹介もないのでGPの舞台写真をご紹介します。

 


 

 待ちに待った《仮面舞踏会》。
 本番2日前のゲネプロに行ってきました。
 照明は極力抑えられ、衣装もダーク。最近の流行に挑戦するかのように、むやみに視覚的な刺激に頼らず、音楽と出演者の表現力を信頼して、登場人物1人ひとりの心模様をじっくりと描ききる演出です。つまり、福井さんの魅力を存分に味わうための舞台、といっても過言ではありません。
 共演は、久しぶりの”福福コンビ”となる福島明也さん、二期会の…というより日本が誇る大輪の花、木下美穂子さん。読売日響の厚みのある演奏も聞き応えがあります。
 福井さんからは、今回の役作りや聞きどころに関して、こんなお話をお聞きしました。
「リッカルド、レナート、アメーリアの3人は、愛と友情、それに夫婦の情愛ゆえに、それぞれが愛情と裏切りを経験し、その狭間で葛藤します。その葛藤の深さを聞いていただけるように、と思っています。特にリッカルドは、統治する者としての公的な立場と、1人の人間としての愛情との間で苦悩します。その葛藤をどうやって表現するか、というのが難しいところです。そして最後、リッカルドはたった1人の人間として死んでいきます。自分がそれまでやってきたことを全部背負って……。最期の場面は、この演出ならではと思うので、そこのところを十分に表現できれば、と思います」
 愛憎、葛藤、懊悩、煩悶……様々な感情が交錯し、福井さんの真骨頂ともいえる濃厚な舞台。
 本当に本番が楽しみです。
(by江川紹子)