レビュー
フェスタサマーミューザ「神奈川フィルハーモニー交響楽団・トゥーランドット」
(2008年7月28日 09:01)2008年7月27日(日曜日) 午後3時開演
ミューザ川崎シンフォニーホール
プッチーニ歌劇「トゥーランドット」ハイライト(演奏会形式)
指揮:現田茂夫
カラフ・テノール | 福井敬 |
リュー・ソプラノ | 大隈智佳子 |
トゥーランドット・ソプラノ | 岡田昌子 |
役員・バリトン | 栗原剛 |
ティムール・バスバリトン | 大塚博章 |
ナビゲーター:近藤政伸
合唱:神奈川フィル合唱団
オペラは本当に面白い。久しぶりにわくわく感一杯での鑑賞でした。とはいえ、わずか1時間足らずのハイライトだったので、物足りなさもあったけれど、これは3月の本格的なオペラ「トゥーランドット」の予告編と思えば、納得。何しろ、チケットも大変リーズナブルでしたし。
ハイライトなので、一番肝の謎解きの部分や、ピンポンパンがカットされていました。前後のカラフとリューの有名なアリアを中心に構成されていて、福井さんの歌はたっぷりでした。福井さん以外はみな若手でこれから活躍が期待されている方がた。タイトルロールのトゥーランドット姫を歌ったソプラノの方は、まだ東京芸大の大学院在学とのこと!こんなに若くて綺麗なトゥーランドット姫は初めて見ました!!(何しろ、すごい声とスタミナを要求される役なので、絶世の美女という設定なのに、たいていものすごく体格のいい、どう見ても一目ぼれはしないぞ!という方が歌うことが多いので・・笑)
若いだけあって、とても元気でおきゃんなお姫様という感じでした。リューを歌った方も大学院卒業したばかり。でも、もう情感たっぷりの貫禄の歌いっぷりで、全曲の中で是非聞いてみたいと思いました。終演後、福井さんは「若い人はうらやましいですよ。声もよく出ていて、すごかったでしょ」とほめておられましたが、福井さんこそ、やはり主役。たったこれだけでも見に行ってよかったと思いました。
ところで、わずか1時間で全曲を見通すというのは、オペラとしてはどうしても無理があり、特に、謎解きの部分がカットされてしまうと、あのおどろおどろしい緊張感がなく、それがあるから前後のアリアがより美しく私達に語りかけてくるのに残念です。特にあの有名な「誰も寝てはならぬ」は、謎かけが終わり、3幕の最初に歌われる雄大なアリア。これによって、それまでの緊張を解き、これからの展開を期待させる大事な転換点を示すものなのです。ですから、来年の3月に、びわこホール、神奈川県立ホール共催で行われる全曲版「トゥーランドット」は、本当に楽しみです!!
早速、読者の方から感想を頂きました。
クラシックの初心者です。マーラーの千人の交響曲。そして今回のトゥーランドットのハイライトの公演の中のカラフの福井さん。感動のあまり涙が。。素敵でした。なぜでしょう。彼の歌声を聴いた後とても前向きな気持ちになれるのは。。これからもずっと応援していきたいと思います。(S.Kさん)