レビュー

びわこホール開館10周年、オペラガラコンサート

(2008年9月 9日 00:48)

2008年9月7日 午後2時開演

滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

指揮 : 沼尻竜典
構成・演出 : 粟國淳
ソリスト : 佐々木典子、幸田浩子、清水華澄、小林久美子、福井敬、二塚直紀、堀内康雄、津國直樹
合唱 : びわ湖ホール声楽アンサンブル/東京オペラシンガーズ/
京都市立芸術大学声楽家選抜メンバー(特別参加)
管弦楽 : 大阪シンフォニカー交響楽団


 演奏会前半はベルディのオペラアリアシリーズ、特にこの10年の間にびわ湖ホールで上演された演目が中心。後半は、オペラ名曲アリアシリーズ。

福井さんは、トリでトゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」を歌われました。今回の福井さんの歌、今までに聞いたこともないような歌でした。今まで何回も「誰も寝てはならぬ」を聞いたし、福井さんも何十回も歌ってこられたという事でしたが、先日のラジオで「飽きるなんてことはなくて、毎回、新鮮な発見と驚きがあって、何度うたっても歌いきれるものではありません。」といっておられたと思います。

綺麗な声、美しい歌を歌われる歌手はいっぱいいらっしゃいますが、福井さんの歌はそれだけでなく、そこに心がこもっているというか、魂が入っているというか、聞く人を感動させる力があります。たったあんな短い曲なのに、これを聴くためにここに来て、本当に良かったと思いました。今回は特に、一音、一音、本当に慈しむよう歌っていたように思いました。。よく、福井さんのファンの方はその誠実は歌いぶりを評価されていますが、歌はその人を裸にするというか、その人の人格が全てでてしまうのですね。

終演後に楽屋では開館10周年のお祝いパーティーを行っていました。「素晴らしい歌でしたね。」とお祝いを申し上げたら、「今回はいつものオペラと違って反響板があったので、ちょっと響きが違って聞こえたでしょう?」と、相変わらず気さくに、こともなげに自分の歌の分析をされてました。人を感動させるためには、自分はあくまでも冷静なところを持っていないといけないのですね。本当にすごいなと思います。


 

 

読者の方から感想を頂きました。 

9月7日びわ湖ホール開館10周年記念オペラガラコンサートを最前列で聴きました。もちろん福井敬さんを目的でで!最前列で息遣いまで感じながら、楽しみました。びわ湖ホールの看板テノールとも言える、福井敬さんはソリストのトップバッターで「群盗」をラストに「トゥーランドット」誰も寝てはならぬを歌いました。声の調子も良さそうで、特に十八番の誰も寝てはならぬは、ホールを振るわせ何度か聴いた中で最高でした。来年のびわ湖「トゥーランドット」のカラフが楽しみです。(テノールヒロ様)