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21世紀最大のオテロ

(2010年2月23日 11:55)

2010年2月17日(木) 20日(土)

東京文化会館 大ホール

ヴェルディ 歌劇「オテロ」

オペラ 全4幕
字幕付原語(イタリア語)上演
台本:アリゴ・ボーイト
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ
 

指揮:ロベルト・リッツィ=ブリニョーリ

演出:白井晃

 

オテロ
イアーゴ
カッシオ
ロデリーゴ
ロドヴィーコ
モンターノ
伝令
デズデモナ
エミーリア
 福井 敬
大島幾雄
小原啓楼
松村英行
小鉄和広
村林徹也
須山智文
大山亜紀子
金子美香

合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 東京都交響楽団
東京二期会オペラ劇場公演
まさに、マリオ・デル・モナコの再来。もしかしたら、それ以上かも知れません。凄いオテロを見ることが出来ました!
白黒のモナコのDVDをカラーにして見ているような。
17日は初日の緊張感と、オテロという芝居の緊張感が相まって、終わった後は拍手も忘れて早くその場から逃げ出したいという感じでした。20日はもう少し冷静に見ていられました。
見れば見るほど、聴けば聴くほど凄いオテロです。福井さんは、もちろんその声の美しさ、パワーがダントツなのですが、でも、歌心というか表現の濃密さというか、他の方とは全然違います。
声の凄さといえば、高声部はカーーんと張って強く、そして、低声部でもまるでバリトン歌手のように力強く響いてきます。そして、表現力!オテロは福井さんが是非やりたいと思っておられたオペラ。
ファンとしても、この舞台に出会えたのは本当に幸せでした。
演出は、白黒で全てを表現していて、シンプルなのにとても素敵でした。無駄がない!でも充分!という理想の形でした。
オーケストラもよく鳴っていました。オテロなんだから、このぐらいの迫力で演奏して欲しいという人もいれば、歌手の負担も考えたらちょっと鳴らしすぎ。という感じも。
とにかく、日本でこんな凄い「オテロ」が見られるなんて。是非とも再演して欲しいと思いました。

 読者の方からの感想です。ありがとうございました。
オテロの葛藤の場面のあまりの迫力に言葉を失いました。
特に、ヴェネツィア大使から書状を受け取ったオテロが、怒りに我を忘れてデズデモーナを突き倒した後の、どんどんオテロが壊れていく場面。凄まじい演技に呆然としました。今、思い返しても何時間でも呆然としてしまいます。私は、この4年間福井さんのオペラをできるだけ観てきました。でも、今まで観ていたものは何だったのだろうと思うほど衝撃的な演技でした。ぜひ、5年後、10年後の福井さんの年を重ねたオテロも観てみたいです。
私は福井さんの歌が大好きで大好きで毎日聴くほどですが、その歌を聴けることを我慢してでも、人間の深層心理を写し出すような深刻な内容の福井さんの劇やドラマを見てみたいという思いにとり憑かれています。どうしたらいいでしょう?(Y)