9月20日福井敬リサイタルIN岩手、感想(2)
(2010年9月26日 14:59)福井さんの故郷は空が広いなと思いました。どこまでも平野が続き、道路や家や店はどこもかしこもゆったりと広いスペースがとってあり、町をぬけると広大な田園風景が広がっていました。澄んだ空気の中で秋風が心地良かったです。福井さんはこのような環境で育ったのかとただぼんやり思っていたのですが、コンサートが始まってびっくり。今まで何回も聴いたことがある歌の風景ががらりと変わり、たった今、見てきた広い風景がくっきり。自分の心と外の風景がそのままつながったようでした。こんなに歌の感じ方が違うとは、歌手の故郷で聴くということは、特別すごい経験なんだと思いました。
3曲聴いた時点ですでに完璧に心が満ち足りて、淀んでいたものがすっきりと洗い流され、魂が本来持っているはずの健やかさを取り戻した感じがしました。
歌はもちろん、歌と歌の合間のお話も毎回、面白くて大笑いしました。
後半のオペラアリアは誰が聴いても感動で思わず立ち上がり、ブラボーと叫びたくなる曲ばかり。第二部の始まりで福井さんが後ろの客席のドアから入り、
「学生王子」をぐるりと客席をひと周りしながら歌われたときは、あまりのパワフルな美声に「すごい」「すごい」とどよめきが・・。それに加えて「女心の歌」でも、客席を周りながら歌われて、美声の直撃に会場は大いに沸きました。福井さんの地元ならではの大サービスに会場は大興奮状態。
最後の全員で歌う「さとうきび畑」も客席に降りて歌ってくださり、福井さんの多くの知り合いの方も歌われたのでしょう、感動的でした。
「もう、息も絶え絶えなので終わります。」と福井さんが最後に挨拶されたときは、本当に息が上がった状態で、いつもすごいのに、それ以上に熱を帯びたリサイタルでした。
近くに座っている方が、後半が始まる前は「外国の知らない曲ばかりでつまらないわ。」とつぶやいていたのに、最後に見たら、一番手を高くあげて拍手されていたのが印象的でした。遠かったけれど、それ以上に、来ることができて幸せだった本当に価値があるコンサートでした。
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