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CD「悲しくなったときは 福井敬、日本をうたう。」発売記念コンサート第1弾
(2011年5月28日 16:12)「福井敬、春に歌う。」
2011年5月28日午後2時開演
サントリーホールブルーローズ
テノール 福井敬
ピアノ 谷池重紬子
・荒城の月 土井晩翠 /瀧 廉太郎
・宵待草 竹久夢二/多 忠亮
・待ちぼうけ 北原白秋/山田耕筰
・さくら横ちょう 加藤周一 /中田喜直
・さくら横ちょう 加藤周一 /別宮貞雄
・悲しくなったときは 寺山修司/中田喜直
・紫陽花 (「わがうた」より) 北山冬一郎/團 伊玖磨
・野の羊 大木惇夫 /服部 正
~休憩~
≪シューベルト歌曲集より≫
「魔王」
「春の信仰」
「双子星に寄せる船人の歌」
「ガニュメート」
・「愛の妙薬」より“何と美しい人!” ドニゼッティ
・「魔笛」より“何と美しい絵姿” モーツァルト
・「ルイザ・ミラー」より“穏やかな夜に” ヴェルディ
・「ウェルテル」より“なぜ私を目覚めさせるのか、春風よ” マスネ
アンコール 「初恋」「見上げてごらん夜の星を(全員合唱)」
ネット主催による、CD発売記念コンサート第1弾が遂に幕を開けました。このネット主催コンサートは特別なメニューを盛り込み、福井さんをよく知る人たちに、さらなる満足を与えてきました。今回も福井さん自身のMCをふんだんに挟み、会場を沸かせ、感動の渦を巻き起こしました。
先ず、前半はCD収録曲の中からの日本歌曲。
「荒城の月」「宵待草」をしっとりと。一転して「待ちぼうけ」はコミカルな振りで早速客席をまわりながら歌われました。緊張していた雰囲気が一気に和み、会場が笑顔に包まれました。
そのあとは、同じ歌詞で、二人の作曲家が曲をつけた「さくら横ちょう」。別宮さんの曲は初めての聴く人も多く、同じ歌詞とは思えない曲調に新鮮な驚きがありました。
ここで、いったん下がって、東日本大震災についてのメッセージ。福井さん自身が岩手出身で、このHPでも今までにもメッセージを配信してきましたが、あらためて音楽家という立場での自分自身の思いを語られました。そして、宮沢賢治の「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の詩を朗読。続いて、「悲しくなったときは」の歌をメッセージとして歌いあげました。言葉の持つ力、音楽の力を実感し、涙を流し、素直に感動しました。
日本歌曲の後半2曲は、それまでの気分を一新する、華やか曲ばかり。オペラアリアかと見まごうばかりの歌に、日本歌曲の面白さを改めて感じました。
休憩の後、後半は外国の歌。
シューベルトは、松本隆訳の「美しき水車小屋の娘」をリリースされており、そこには、「魔王」も日本語訳で入っています。しかし、今回は全部ドイツ語でした。「春に歌う。」は、季節の春と青春をテーマにプログラムが組まれています。シューベルトのさわやかで、初々しい曲はこのテーマにぴったりでした。
さあ、後半は青春をテーマにしたオペラアリア。
いったん下がって、谷池さんだけが出てこられたと思ったら、会場横のドアから、福井さん登場。しかも、花束を持って現れました。ドニゼッティの「何と美しい人!」をうたいながら、会場を回り、思いの人にバラを捧げます。幸運な人たちは、顔を赤らめ、恥ずかしそうに受け取っておられました。
その後、モーツァルトの「何と美しい絵姿」を舞台で歌い、青春の甘酸っぱい気持ちを堪能させてくださいました。それにしても、福井さんは青春時代から、まっすぐで一生懸命な少年だったのですね。モーツァルトの、そのあまりにひたむきな歌に、福井さんの人柄がしのばれました。
最後は、ヴェルディ、マスネと、甘く華やかなオペラアリアで会場中が福井マジックにかかってしまいました。狭い会場ならでは。臨場感いっぱいに、体全体で歌を感じたひと時でした。
アンコールは、日本歌曲ではぜひうたったいただきたかった「初恋」そして、「見上げてごらん夜の星を」を全員合唱で歌いました。福井さんの生徒さん達もたくさんご来場いただき、おおいに盛り上がって、終演後のサイン会も長蛇の列でした。