レビュー

「福井敬、秋に歌う。」 皆様の声

(2011年11月19日 14:00)

津田ホール 午後2時開演

《第一部》 

鐘が鳴ります (山田 耕筰)
ひぐらし (團 伊玖磨) 
秋の月 (瀧 廉太郎)
出船 (杉山 長谷夫)
かやの木山の (山田 耕筰)
城ヶ島の雨 (梁田 貞)

【武満 徹 特集】
恋のかくれんぼ、 ぽつねん、 死んだ男の残したものは、 小さな空 (武満 徹)  

《第二部》

【フォーレ歌曲集から】
リディア  Lydia
トスカーナのセレナーデ  Sérénade toscane
私たちの愛   Notre amour,

帰れソレントへ Torna a Surriento   (デ・クルティス)
フニクリ フニクラ Funiculi-Funicula  (デンツァ)

「アルルの女」より ありふれた話(フェデリコの嘆き) (チレア)
"L`arlesiana"  E la solita storia del pastore

「仮面舞踏会」より 永遠に君を失えば  (ヴェルディ)     
Un Ballo in Maschera “ Ma se m'è forza perderti

アンコール  落葉松、君に告げてよ

皆様の感想から(一部抜粋)

● 歌が始まってすぐに、涙がぽろぽろでてきて、あーこの人の歌はいいんだ。と実感しました。人柄もチャーミングで、いろいろ工夫されて、サービス精神旺盛で、見応えのある楽しめるコンサートでした。帰りのエレベーターで、一人の男性の方と乗り合わせて、「あーよかったねぇー涙が出たよー ああーまだ出てくるー」っと・・・それを聞いて「私も涙が出そうになりますぅー」と言って、皆でエレベーターの中で笑い、とてもいい思い出二なりました。選曲の構成もよかったです。

● 時に包み込むような温かさだったり、時に官能的であったり、卓越した技能はさることながら、情感あふれる歌声に感動しっぱなしでした。客席からの登場でのエンタテインメントには笑いが自然に起こり、素晴らしいひとときでした。神様が福井さん二与えられた天分に感謝し、また、たゆまぬ努力で磨き続けていらっしゃる福井さんに敬服いたします。BRAVO!

● 福井さんのお人柄が感じられるアトホームで優雅な雰囲気でした。

● 声が素晴らしい。また、表現豊かで観客に伝えるとはこういうことなのかと勉強になりました。

● 武満徹特集の4曲は、谷川さんの詩もよいのですが、それが音楽にのって心に響きました。1部はしっとりとしていて、2部はカラッとした明るさやさわやかさも感じられました。チケットとっておらず、今朝迄行こうかと迷っていましたが、来てよかったです。今日の雨のように、歌にうるおいをもらいました。

● 雨男の福井さんの降らせた雨は、今回は歌の背景とばっちりあいました。ご本人が「選曲に先見の明があったかも」とおっしゃっていた通り、歌のあちらこちらに雨が出てきて吹き出したくなりました。雨の中で聴く「出船」「城ケ島の雨」大人の苦みが効いた渋さに痺れました。
 イタリア歌曲って本当に良いですね。もともと大好きな「帰れソレントへ」。イタリア語の後に日本語の歌詞で歌っていただいたのでより一層感動が増しました。次はじっくりと舞台の上からも聴きたいです。
「フニクリ・フニクラ」すっかり心の中は雲一つない快晴!こんなに元気が出る歌はないので、いつも歌って欲しいな。かけ声参加の歌は福井さんの歌も聴けるし、隣の大声の人を恨むことないし、自分も思い切り歌えて楽しいです。
 
「仮面舞踏会」思いきりオペラの世界に引き込まれました。辛い、苦しい、切ない、真剣な愛。大人の男の魅力全開にぼーっとしてしまいました。しまった、ますます大ファンになってしまった。困ったなという状態です。
 
 今回は、春と秋がらりと雰囲気の違うコンサートで、違いが際立っていました。福井さんの歌を思う存分聴けるだけでなく、趣向も凝らしてあって本当に楽しかったです。日本歌曲シリーズを十分堪能したので、次はオペラアリアが多いコンサートをぜひお願いします。 (Y)