レビュー

NHK第九 FM生放送を聴いて 

(2011年12月22日 19:00)

今日の第九コンサート、素晴らしかったですね!
 
改めて、ベートーベンのこの楽曲としての美しさに目が見開かれる思いです。
楽器一つ一つの音色が、はっきり聞き分けられるような丁寧な演奏。
メロデイーに流されてゆくような、マイルドな演奏ではなく、楽器がドイツ語の歌を
歌っているかのような丁寧で輪郭のはっきりした明晰さ。

そして、第3楽章の金粉が降り注いでくるような恍惚感といったら・・!
 
バリトンの福島さん、第一声の堂々とした広がりが、聞いたことのない素晴らしさ!
福井さんのマーチはいつも行進しているような歯切れの良さが、かっこいいのですが、今日は全く違っていて、もっとレガート。改めて福井さんのお声そのものの美しさに、感動しました。


スタニスラフ・スクロヴァチェフスキー氏の指導が、楽器の一音、声楽の子音ひとつにまで細かく行き届いていて、第九交響曲の美しさに涙がこぼれました。
国立音大の合唱も、十分な声圧と歌詞の聞きとれる発声の良さがとても素晴らしかったです。
(Collina)