インフォメーション

8月30日 パルジファル稽古場見学(投稿)

(2012年9月 4日 08:50)


『二期会「パルジファル」稽古場1幕見学(9/13・16日組)に抽選で20名様ご招待』に運良く当選し、8月30日(木)に行ってきましたのでご報告致します。

場所は都内の廃校を利用した稽古場。

まずは、公演監督の曽我栄子さんのプレトークを聞きました。ワーグナー作品の上演の大変さや「パルジファル」のテーマや聴きどころについてお話していただきました。

その後はオペラの練習場所である元体育館へ。「スカートで来ないでください」と注意事項にありましたが、垂直に立つ鉄梯子をよじ登って、体育館をぐるりと囲む2階通路へ。そこに椅子が用意してありました。体育館全体が見渡せて、音響の良い場所です。本番では回り舞台だそうですが、体育館には無いので、舞台が2面、ピアノがそれぞれに1台ずつ用意してありました。舞台が回って位置が変わった所で、途中で稽古を何回か中断し「ありがとうございました。移動します。」の掛け声で、スタッフも歌手の方も左から右へぞろぞろ大移動されていました。

午後4時通し稽古1回目スタート。

福井敬さんは出番が後の方なので、体育館のステージ上に用意された椅子に腰掛けて、真剣な表情でずっと楽譜を読んでいらっしゃいました。

気付いた時には、福井さんは下に降りてスタンバイされていました。素足に黒のシャツに黒のズボン。共演者の方にお話しされる時は柔和な顔つき。スタッフの方にこれから動く位置を必ず確認して、本番前は緊迫感のある鋭い表情。そして舞台に出ると子どもみたいなパルジファル。残念ながら、1幕目は歌われるシーンが少なく、母親が死んだと聞かされてクンドリにくってかかる場面(さすが福井さん、こういう演技は本当に素晴らしいです!)以外は無色透明なオーラの無垢なパルジファル。見るものすべてが珍しいなあというあどけない表情であちらこちらと舞台を歩きまわっている演技が印象的でした。プレトークで、このオペラは、「パルジファルの成長と救済」がテーマだと曽我監督がおっしゃ っていましたが、この後、どのように成長するのか、それは本番までのお楽しみです。見学を終えて帰るとき、わずかな休憩時間も福井さんはじっと楽譜を読んでいらして、福井さんでさえもこれほどしなければならないのか、福井さんだからこそこれほどされるのか、勉強熱心な姿勢に驚きました。

指揮者は飯守泰次郎さん

今回はオーケストラの代わりにピアノ伴奏でしたが、ピアノだけで何故こんなに感動してしまうのでしょう!?ちなみに生で「パルジファル」の音楽を聴くのは初めてです。何回も出てくる旋律を聴くたびに 魂がワーグナーの音楽にどんどんからめとられていく気がしました。時々、ふうっと魂が天上に引っぱりこまれそうで、1幕の最後の方で合唱が始まると、美しすぎて嬉しいのだが泣きたいのだか、魂がどこかにいってしまわないように体を押さえたい衝動にかられました。ピアノ伴奏1幕のみでこの状態ならば、オーケストラ演奏で全幕観たら一体どうなってしまうのでしょう。プレトークで曽我監督は「とにかく3幕目が美しくて美しくて感動的です。」とおっしゃっていましたが、私も身をもって断言できます。絶対に恐ろしいぐらいに感動します。正常な意識を保てるように気を付けましょう。  (Y)