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9月16日 パルジファル 感想 (Yさん)

(2012年9月22日 13:19)

学生時代にアーサー王伝説に熱中していた時期があり、関連本を読み進むうちに、アーサー王を題材にしたオペラ「パルジファル」というものがあると知ったのが、そもそもオペラに関心を持ったきっかけでした。それから、ずっと一度は観てみたいと思い続けながらも先延ばしにしていましたが、やっと今回念願かなって観ることができました。しかも、大好きな福井敬さんのタイトルロールです!活字でよく知っていた世界を音楽で聴くのは本当にワクワクする体験でした。その上「純粋で素直で前向きで強い」本の中のイメージ以上にかっこ良く、光り輝く美声の生身のパルジファルを目の当たりにできて、感激でいっぱいになりました。

福井さんのパルジファルは愚かな子どもの時はあどけなく、クンドリの口づけの後は目に知恵宿る思春期の表情、クリングゾルから槍を奪った後は正義感あふれる20歳前後の青年の表情に見えました。そして3幕目は苦労が顔に刻まれた壮年。成長していく過程の表情の変化の違いにすごいなと思いました。

ワーグナーは音楽が美しいので、どちらかといえば、音楽主体なのかと思ったら濃厚なドラマにぐるぐると巻き込まれ、廻り舞台の場面転換の鮮やかさに、息つく暇もないほどのあっという間の5時間でした。もちろん、音楽も素晴らしく、オペラを観終わってから今でも体中がワーグナーの音楽に占領され続けています。 (Y)