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2月22日 「ドン・カルロ」 感想(投稿2)

(2014年3月 3日 21:47)

「ドン・カルロ」を観るのは初めてなので、家でDVDを2本観たのですが、ロドリーゴは素敵だけれど、主人公のカルロは、弱弱しく嘆いてばかりで、いくら王子といえども命をかけて頼るような男ではないなと思いました。                             

                                                      
福井さんのカルロを見て、あ、本当の王子様だと思いました。声もオーラも強くて、立居振舞に気品があって、この人になら期待できる。「神に護られている」という表現がぴったり。そうか、カルロはもともと強くて才能豊かで、それが失恋によって弱っているだけなのか。ロドリーゴも民衆もカルロに信頼を置くことにやっと納得できました。                                                                                                                        

やっぱり、一番に素晴らしかったのは、カルロとロドリーゴの二重唱。男臭くて、力強くて、体中の血が沸き立ちました。                                                                                                                  

カルロのラテン男の情熱さにドキドキし、絶望の中の目の暗い輝きにドキドキし、強そうな人が弱っている姿にセクシーさを感じ、そんな気持ちの中でのエリザベッタとのシーンは切なくて切なくて。最後、エリザベッタをカルロが母と呼んだところで、私の中でもなにかが昇華されました。福井さんほど、ドン・カルロにぴったりの役を演じられる方はいないのではないでしょうか。                                        

                                                       

衣装も時代に即していて豪華絢爛で、ベラスケスの絵やレンブラントの絵の実物を見たようなとても満足感のある舞台でした。(Y)