第30回もばら音楽祭 テノール・リサイタル
2015年11月8日(日) 茂原市東部台文化会館
前半の日本歌曲。先日の浜離宮ホールではとてもスタイリッシュで、
キラキラした空気の透明感を感じ、日本語であっても少し外国の歌曲のようにも
聞こえたのですが、今日は、抒情性たっぷりに歌う、豊かな日本の心と言う
感じでした。
後半に、学生王子のセレナーデで客席から登場する演出が、大好きです。
びっくりして、わーっと盛り上がる客席と一緒にわくわくします。
久しぶりに聞くビー・マイ・ラブでさらにドキドキが高まります。
「妙なる調和」「女心の歌」と十八番が続き、嬉しくって、楽しくって
にこにこです。
都内からは2時間もかかり、駅からも30分と遠く、雨も降っているし、
道を聞きたくても誰も歩いていなくて、行きは悲しくなりそうだったけれど
帰りはすっかり元気ハツラツ。やっぱり福井さんのコンサートはすばらしい!
都会の美女に真剣に愛を告げるより、田舎の純情な女の子を余裕で口説く方が、
より二枚目ぶりが際立つようで、客席と一緒にかっこいい!素敵~!と楽しみました。
(Collina)
第一部の日本歌曲は、福井さんのこれまでの人生のアルバムを見せて頂いているよう
に感じながら、聞きました。
ずっと昔、幼いころに背負われて見ていた「赤とんぼ」~ 砂山に腹ばいになって
「初恋」の痛みに思いをはせる日~
10年の月日がたって、1つ1つ希望を失った「木兎」~過ぎ「ゆく春」を
惜しむようなセンチメンタルな時を過ぎ~
僕は「結婚」してしまったー、と茶目っ気で照れたり、~山の上の一本の「さびしい
カシの木」は今ではとっても年をとり、
さびしいことに慣れてしまったー、と孤高の境地を歌い、「死んだ男の残したもの
は」命の継続こそ、明日を生きる希望なのだと
~「夢みたものは・・・」ひとつの愛、願ったものは、ひとつの幸福、それらは
すべてここにある・・・と締めくくられました。
季節の移ろいに人生の来し方、行く末を投影し、すべての出来事を受け留めて
肯定する、大きな愛のストーリーのように感じました。
第二部の「トスカ」と「オテロ」の世界
砂川涼子さんとの共演は、想像通りゴージャスなものでした。間近に聞く
お二人の歌唱の迫力と華麗なお姿。
特に砂川さんの「柳の歌」のすばらしいことといったら、美しいお姿と相まって、
まさに完璧。
福井さんのオテロはやっぱり、はまり役です。「恥と悲しみに満ちて」は
迫真の演技だったあの3月のオテロが蘇って、くぎづけ です。
「オテロの死」では自害するシーンを、顔の表情の変化だけで表現して
いましたが、ほんとうに死んでしまったのでは?と
心配になる見事さでした。中身のとても濃い、渾身のプログラムで
贅沢なコンサートにしてくださって、ありがとうございました。
(Collina)
11月8日茂原市での福井敬さんのコンサート自宅が
茂原市の裏側の市原市ということで行ってきました。
本人は当日の雨をネタにトークも冴え、
会場の雰囲気は大変良かったように思います。
私は一番前の席をとったため、福井敬さんの声量とともに
声の響きが大変素晴らしく感じました。
何度か福井敬さんのリサイタルはおじゃましましたが、
アリア、ミュージカルナンバーは当然ですが
今回は日本歌曲がよかったです。
死んだ男の残したものは…涙がでてきました。
福井敬さんの歌は聞いてると気持ちがスカッとします。
次はテレビでのニューイヤーオペラの観賞になりますが
2月の千葉での森&福井デュオコンサートは
ぜひ足を運びたいとおもいます。
(マウンテンさん)
本日の公演の感想
・今回も素晴らしい時間をありがとうございました。
・いつもの感銘を受け豊かな気分で家路に着きます。
「死んだ男の残したものは」は、聞くごとに感動を覚えます。
・出演者の皆様に拍手。(言葉にできない感激)
・日本歌曲は繊細で、コミカルで、色々語りかけられる言葉と情が体にすっと入ってきて楽しく、また心地よかった。
オペラアリアは圧倒的迫力が直接響いてとても素晴らしかった。
・どんな言葉も確実に響の中で聴こえました。勇気とエネルギーを貰いました。
・二重唱アリアは本当に良かったです。
・「死んだ男の残したものは」は、心にずっしり響き涙が出ました。
歌う前にストイックな表情でその歌の世界に入っていく顔と、歌い終わった後のにこやかな表情とのギャップがとても好きです。
・日本一、世界一の歌声にシビレ、癒されました。
・回を重ねる度に素晴らしい演奏に感動します。心の伝わる歌に引き込まれ、あっという間の2時間でした。
・聴かせていただく度に「あぁ~、生きていて良かった。」としみじみ思います。
・15年、20年前と変わらない美声に感動しました。
・オペラの舞台を観てきたのと同じくらい満足・感動しました。
・歌とピアノがやわらかく、時には激しくからんで、すばらしいですね。
・毎回、日本歌曲にこんなに心にしみるいい歌があるのだと感じ入って聴いています。
詩を深く理解された表現力だと心から拍手をしています。
・この春の「オテロ」を再度思い出しました。目の前でまた聴くことができるなんて幸せでした。
この他、たくさんの感想やメッセージをいただきました。
ありがとうございました。
本日のプログラムで印象に残った歌 ベスト3は?
1位 死んだ男の残したものは(断トツ)
2位 私を恐れるものはない(オテロの死)、 マリオ、マリオ、マリオ!~二人の愛の家へ
3位 星は光りぬ
4位以下、・柳の歌~アヴェ・マリア ・赤とんぼ ・歌に生き、愛に生き ・妙なる調和 ・初恋と僅差です。
福井敬スペシャルリサイタルの後に
「 響 」カレッタ汐留店でオフ会を開催しました。
その時にリサイタルでの好きな曲
前半、後半に分けて曲名の横に1位 2位のシールを貼ってもらい
投票をしていただきました。
時間がなくて順位がその場で発表できなかったので、
この場をお借りして発表致します。
(1位2点 2位1点で計算しています)
第一部 福井敬が贈る 日本歌曲の世界
第1位 死んだ男の残したものは (34点)
第2位 初恋 (18点)
第3位 九十九里浜 (12点)
第3位 さびしいカシの木 (12点)
第4位 赤とんぼ (10点)
第二部 福井敬が贈る オペラの世界
第1位 "星は光りぬ" (28点)
第2位 "柳の歌~アヴェ・マリア"(17点)
第3位 "歌に生き、愛に生き" (16点)
第4位 "マリオ、マリオ、マリオ!~二人の愛の家へ" (15点)
第5位 "妙なる調和" (14点)
2015年10月31日 浜離宮朝日ホールで行われたスペシャルリサイタルを拝聴しました。 一部の日本歌曲も、福井敬さんのイメージとは違う沢山の引き出しを感じさせていただけるステージでとても楽しませていただきました。
しかし、二部のオペラの世界になるともう・・・。その声の圧力に圧倒されて夜になった今でもその興奮が冷めやらぬ感じです。観客席で歌われるパフォーマンスの段階で相当盛り上がりましたが、一曲一曲歌われる度にテンションはうなぎのぼりでした。浜離宮ホールいっぱいに福井さんのアクートがこれでもかこれでもかと響き渡って打ちのめされました。福井さんにとってこのホールは狭すぎますね。
自分はアマチュアで合唱を趣味にしていて、時折合唱団員として福井さんと同じステージに立てることがあり、そんな時はもう、嬉しくて嬉しくて天にも登る気持ちなのですが、今日、またその思いがパワーアップいたしました。本当に素敵なリサイタルありがとうございました。 (U.Tさん)
福井さんの情感のこもった日本歌曲は心に深く響いて涙がでました。 ずっとお聴きしていたかったです。
オペラは本当に迫力があってぐっと胸にせまるものがありました。砂川さんとの二重唱は素晴らしすぎて ドキドキいたしました。。
今日は素敵な贈り物をいただいた気持ちです ありがとうございました 年末の第九も楽しみにしております (K.Oさん)
福井さんがメッセージで「素晴らしい音の洪水の中にいる感じです!」
とおっしゃった通り、1,2幕は輝く黄金の音の洪水に身を浸しました。
キラキラキラキラ贅沢な響きにうっとり。
ミダス役の福井さんは、王女・ダナエの愛をかけて
神様ユピテルと争ったのですが
20代前半にしか見えない立ち居振る舞いにまずびっくり。
神様にも勝つほどのイケメンぶりで
久しぶりの若者役がますます素敵でした。
ダナエが自分ではなくミダスを選んだせいで
ユピテルの怒りが爆発し、
3幕めは、東日本大震災を模した破壊された世界が表れました。
平穏で温かく胸にギュッと懐かしさがこみ上げる、
と同時に希望の光が見えてくる音楽に包まれて
黄金の贅沢な気持ちが一転して、普通の日常生活の貴さを思い出しました。
でも、このオペラのテーマ「黄金より愛」なんておとぎ話にすぎないのでは?
と思っていたら現実的に説得力があるこの演出!
ダナエとあばら家で暮らし始めたミダス役の福井さんが
嬉しそうに洗濯物を干すシーンを見て
この夫婦は貧乏でも幸せに暮らしていけると確信しました。
加えて、このオーケストラの豊かな音色が心の中にいつも鳴り響いていたら
どんな生活も幸せなんだろうな。YY