大阪公演感想ーMr A.T.さんのブログより転載

2019/07/17

公演: 福井敬スペシャルリサイタル2019 in大阪

今回は日本を代表するメゾ・ソプラノ清水華澄さんと若手ソプラノ高橋宏奈さんを呼んで、 前半にリート、後半にカルメン抜粋という贅沢なプログラム。 幸運にも、最前列かぶりつきの席で聴かせていただいた。

前半リートでの福井さんの細やかな息づかいと技巧の何たるすばらしさ。 特に日本語の歌を聴くと、言葉の一つひとつをいかに丁寧に扱っているかがはっきりと感じ取れる。 寺山修司の〝悲しくなったときは”を、二人の作曲家がそれぞれ歌にしたものを福井敬さんと 清水華澄さんとで続けて歌うという、凝った選曲もすばらしい。

第2部カルメン抜粋では、福井敬さんがデュトワ・大阪フィル〝サロメ”でヘロデを歌っていた、 その同じ時間に東京での二期会〝サロメ”で清水華澄さんがヘロディアスを歌っていた、 その二人が目の前で歌い演じるカルメンとドン・ホセをわずか1メートルほどの至近で観るという、 これまたなんとも贅沢の極み。

日本を代表するテノールとカルメンがはまり役のメゾ・ソプラノなのだから、魅せられないわけがない。 それにしてもお二人とも何たる声量だこと。華麗なミカエラの高橋宏奈さんも加わり、 とにかく魅力満載のリサイタルだった。

終演後、福井敬さん、清水華澄さん、高橋宏奈さんも参加してのオフ会で、楽しいひと時を過ごした。

Mr A.T.